TOEIC の時間配分で重要なのは、75 分を 100 問へ均等に割り振ることではありません。Part 5・6 を必要以上に長引かせず、問題数の多い Part 7 へ十分な時間を確保する必要があります。また、速く読む力だけでなく、「この問題は今解くべきか」「いつ切り上げるか」という判断も欠かせません。本記事では、Part 5・6・7 の時間配分の目安、スコア別戦略、本番で時間を守る方法、75 分の演習を使った改善法まで具体的に解説します。
TOEIC の時間配分はリーディングを最後まで解くために重要
TOEIC L&R のリーディングセクションでは、「英文が読めるのに最後まで終わらない」という問題が起こります。
その理由は、TOEIC が英語知識だけでなく、限られた時間内で多くの情報を処理する能力も必要とする試験だからです。
現行形式では、リーディングは 75 分・100 問です。Part 5 が 30 問、Part 6 が 16 問、Part 7 が 54 問で構成されています。リーディングだけで 100 問あるため、1 問ずつ完璧に納得するまで考えていると、後半まで到達できなくなる可能性があります。
TOEIC の時間配分を考えるときは、単純な「速読」ではなく、時間をどこへ投資するかという視点が必要です。
TOEIC リーディングは限られた時間で多くの問題を処理する必要がある
75 分で 100 問を解くため、単純平均では 1 問あたり 45 秒です。
ただし、実際にすべての問題へ 45 秒ずつ使うわけではありません。
Part 5 の品詞問題なら十数秒程度で判断できる場合があります。一方、Part 7 の複数文書問題では、複数の情報を照合するため数分必要になることがあります。
つまり、短時間で解ける問題を素早く処理し、その「時間の貯金」を負荷の高い読解問題へ使う必要があります。
この考え方を持たず、Part 5 にも Part 7 にも同じ時間感覚で向き合うと、時間切れしやすくなります。
すべての問題に同じ時間をかけると最後まで解けない
TOEIC では問題の負荷が均一ではありません。
Part 5 で、
(A)success
(B) successful
(C) successfully
(D)succeed
のような選択肢が並んでいれば、文構造から品詞を判断できる可能性があります。
一方、Part 7 のトリプルパッセージでは、3 つの文書から人物・日時・条件を照合して答えるケースがあります。
これらに同じ時間を割り当てるのは合理的ではありません。
TOEIC の時間配分では、「問題数」ではなく「処理負荷」に応じて時間を使うという考え方が必要です。
短い問題で必要以上に悩まないことが、後半の読解時間を守ることにつながります。
時間配分では読む速さと解答判断の両方が問われる
時間切れというと、「英文を読む速度が遅いから」と考えがちです。
しかし実際には、解答判断にも大きな時間を使っています。
英文は理解できているのに、A か B か迷って 30 秒、さらに 30 秒、もう一度本文を読み返して 30 秒というケースです。
ここで新しい根拠が見つかるなら意味がありますが、同じ情報を頭の中で繰り返しているだけなら、時間効率は高くありません。
TOEIC で必要なのは、読む速度+答えを決める速度です。
高得点者ほどすべてを瞬時に理解している、というより、「根拠が十分なら決める」「情報が足りなければ次へ進む」という判断が安定している傾向があります。
Part 5・Part 6 を早く終えて Part 7 の時間を確保する
Part 7 は現行形式で 54 問あり、リーディング 100 問の半数以上を占めています。
そのため、Part 5・6 で時間を使いすぎると Part 7 が苦しくなります。
たとえば Part 5 と 6 で 30 分使った場合、Part 7 には 45 分しか残りません。
一方、Part 5・6 を 22 分で終えれば、Part 7 へ 53 分残せます。
差は 8 分です。
Part 7 の読む速度を短期間で大幅に上げるのは簡単ではありませんが、Part 5 の文法判断を自動化し、Part 6 で読む範囲を適切に変えることで数分短縮できることはあります。
その意味で、Part 5・6 の速度改善も Part 7 対策の一部です。
まず模試で Part 別の所要時間と正答率を記録する
自分に合う時間配分を決める前に、現在の所要時間を測りましょう。
75 分でリーディング 100 問を解き、Part 5 終了、Part 6 終了、Part 7 終了の時刻を記録します。
さらに、Part ごとの正答率も出します。
たとえば、
| Part | 所要時間 | 正答率 | 状態 |
|---|---|---|---|
| Part 5 | 18 分 | 90% | 正確だが遅い |
| Part 6 | 12 分 | 75% | やや遅く不安定 |
| Part 7 | 45 分 | 未回答 12 問 | 開始時点で時間不足 |
という結果なら、「Part 7 を速く読む」だけでは解決しません。
Part 5・6 だけで 30 分使っていることが、Part 7 の未回答増加につながっています。
IIBC の公式教材でも、読解の所要時間を測り、理解度とあわせて確認するトレーニングが採用されています。
TOEIC リーディングで時間が足りなくなる主な原因
時間配分を改善するときは、単に「もっと急ぐ」と考えないことが重要です。
どこで、なぜ時間を使っているのかを特定しましょう。
IIBC の学習情報でも、リーディングでつまずく原因を分け、それぞれに応じた対策を行う考え方が紹介されています。
Part 5 の文法・語彙問題で考え込みすぎている
Part 5 で最も避けたいのが、「考えれば思い出せそう」という状態で長時間止まることです。
特に語彙問題では、知らない単語やコロケーションを 1 分考えても、新しい知識が突然出てくるとは限りません。
たとえば 2 択まで絞ったあと、40 秒考えても判断材料が増えなければ、時間を使う効果は小さくなります。
Part 5 では、
「文法的に判断できる問題」
「文脈を読めば判断できる問題」
「知識がなければ難しい問題」
を区別することが大切です。
知識不足の問題で長く止まらないことが、時間配分改善の第一歩です。
Part 6 の文章を空欄の種類に関係なく全文精読している
Part 6 は長文穴埋め問題なので、「文章だから全部読まなければならない」と考える人がいます。
しかし、空欄によって必要な読解範囲は異なります。
品詞問題なら空欄前後だけで判断できる場合があります。動詞問題なら主語・時制・態を確認します。
一方、接続表現や文挿入問題では前後の文脈が必要です。
すべての問題を全文精読すると時間がかかり、すべてを空欄周辺だけで解くと正答率が下がります。
Part 6 では、問題タイプに応じて読む範囲を伸縮させることが時間短縮につながります。
Part 7 で本文と設問を何度も往復している
Part 7 で時間を失いやすいのが、本文と設問の往復です。
本文を読む。
設問を見る。
本文へ戻る。
選択肢を見る。
また本文へ戻る。
この動作が 1 設問につき何度も起これば、同じ英文を何回も読むことになります。
改善するには、全文を記憶するのではなく「情報の位置」を把握します。
たとえば、
第 1 段落=イベントの概要
第 2 段落=変更理由
第 3 段落=申込方法
と大まかに整理しておけば、設問に応じて必要な場所へ戻れます。
Part 7 では、記憶力よりも根拠へ戻れる読解地図を作る意識が重要です。
知らない単語が出るたびに読む流れを止めている
TOEIC の英文ですべての単語を知っている必要はありません。
知らない単語が出るたびに止まると、文全体の意味まで忘れ、読み返しが増えます。
たとえば未知語が形容詞一つで、文章の主題や設問に関係しないなら、その場では大意を取りながら進めます。
一方、未知語が文章の中心となる名詞や動詞なら、前後の文脈から意味を推測する必要があります。
IIBC の Part 7 速読教材でも、知らない語句があっても立ち止まりすぎず読み進める訓練が紹介されています。
本番では流れを守り、復習では語彙の穴を埋める。この役割分担が重要です。
正解の確信を求めすぎて次の問題へ進めない
「90%正しいと思うけれど、100%確信できない」という理由で何度も本文へ戻る人もいます。
TOEIC では、すべての問題で完全な確信を得られるとは限りません。
重要なのは、今ある情報の中で最も根拠の強い選択肢を選ぶことです。
たとえば本文と選択肢の言い換えが確認でき、他の 3 択には明確な矛盾があるなら、その時点で十分です。
さらに本文を 2 回読むことで安心感は増えても、正答率がほとんど変わらないのであれば、時間の使い方としては効率的ではありません。
自分の実力に合わない時間配分を設定している
「Part 5 は 10 分で終えるべき」と聞いて、現在 20 分かかる人がいきなり 10 分を目指すケースがあります。
しかし、急ぎすぎて正答率が 80%から 50%に下がったのであれば、その時間配分は現時点では合っていません。
時間配分は固定された正解ではありません。
たとえば最初は、
Part 5=15 分
Part 6=10 分
Part 7=50 分
から始めても構いません。
正答率が安定したら Part 5 を 13 分、12 分と少しずつ短縮します。
時間配分は目標ではなく、現在の英語力に合わせて更新する設定値だと考えましょう。
TOEIC の Part 別時間配分と目標時刻の決め方
ここからは具体的な時間配分を考えます。
前提として、Part 5・6 それぞれに公式の制限時間があるわけではありません。
IIBC が定めているのは、リーディングセクション全体が 75 分ということです。
以下の分数は、あくまで学習上の一例として使ってください。
Part 5 は 10〜12 分を目安に短文穴埋め問題を処理する
Part 5 は 30 問です。
10 分で解けば 1 問平均 20 秒、12 分なら平均 24 秒です。
もちろん、すべて 20 秒で解く必要はありません。
品詞問題を 10〜15 秒で解き、語彙問題へ 30 秒程度使うなど、問題タイプによって差をつけます。
Part 5 で重要なのは、全文を速読することではなく、問題タイプを速く見抜くことです。
同語源の選択肢なら品詞、動詞の形が並んでいれば時制・態、意味の異なる単語なら語彙・文脈というように、判断の型を作ります。
Part 6 は 8〜10 分を目安に 4 つの文書を解く
Part 6 は現行形式で 16 問です。
8〜10 分を学習上の目安にすると、1 文書あたり約 2〜2 分 30 秒です。
ここでも全問題を同じ速度で解く必要はありません。
品詞問題を短時間で処理し、文挿入問題に少し多く時間を使うという配分で構いません。
Part 6 で毎回 12〜15 分かかるなら、文章を読みすぎていないか確認してください。
「文法問題なのに全文を精読していないか」「文挿入で最初から全段落を読み直していないか」という点を見直します。
Part 7 には残り時間の大部分を確保する
Part 5 を 12 分、Part 6 を 10 分で終えれば、Part 7 には 53 分残ります。
Part 5 を 10 分、Part 6 を 8 分なら 57 分です。
Part 7 は 54 問あるため、リーディングの中で最も多くの時間を配分する必要があります。
目安として 50 分以上は確保したいところですが、現在の Part 5・6 の正答率とのバランスで調整してください。
大切なのは、Part 7 を始めた瞬間に「残り 45 分しかない」という状態を毎回作らないことです。
シングルパッセージと複数文書問題で時間を分ける
Part 7 には 1 つの文書に関する問題と、複数文書に関する問題があります。現行形式では 1 文書問題が 29 問、複数文書問題が 25 問です。
後半の複数文書問題では、文書間の情報を照合する必要があるため、時間に余裕を残しておきたいところです。
たとえば Part 7 へ 55 分残せた場合、
シングルパッセージ=約 25〜27 分
複数文書=約 28〜30 分
程度を一つの仮設定にできます。
ただし、これも公式推奨時間ではありません。
自分の演習記録を見て、シングルは速いがトリプルに時間がかかる人なら後半へ多めに配分してください。
Part 開始時刻ではなく終了予定時刻を決めておく
本番で使いやすいのが、「何分使う」ではなく「何分時点で終える」と決める方法です。
たとえばリーディング開始を 0 分として、
| 経過時間 | 目標 |
|---|---|
| 0 分 | Part 5 開始 |
| 12 分 | Part 5 終了 |
| 22 分 | Part 6 終了 |
| 22〜75 分 | Part 7 |
| 75 分 | 終了 |
と決めます。
この方法なら、Part 5 で予定より 3 分遅れていることに早く気づけます。
本記事ではこれを「終了時刻管理」と呼びます。
「何となく急ぐ」より、基準時刻を持った方がペース修正しやすくなります。
予定時刻を超えたら未回答があっても次の Part へ進む
Part 5 の最後の問題で迷い、予定の 12 分を過ぎたとします。
ここで 2 分追加して 1 問を正解するより、その 2 分を Part 7 へ残した方が多くの問題へ取り組める可能性があります。
したがって、演習時から終了予定時刻を超えたら進む練習をします。
もちろん、マークせず完全に空欄のまま放置するのではなく、最も可能性が高い選択肢を選んでから進みます。
1 問への執着で全体の時間設計を崩さないことが重要です。
解答用紙へのマーク時間も含めて配分を考える
TOEIC L&R では、答えは別の解答用紙へマークします。IIBC 公式のサンプル問題でも、リーディング 75 分の中で解答用紙へ回答する形式が示されています。
そのため、「読む時間」だけで 75 分を使えるわけではありません。
問題を解きながら随時マークする場合でも、ページ移動や番号確認を含めてわずかな時間がかかります。
マーク方法は普段の模試と本番で変えない方が安全です。
学習時に問題冊子だけへ印をつけ、最後にまとめてマークする習慣だと、本番で予定以上に時間が必要になる可能性があります。
演習も解答用紙を使い、本番と同じ手順で時間を測ることをおすすめします。
TOEIC 時間配分を守るための本番戦略

時間表を作るだけでは、本番で予定どおり進めるとは限りません。
時間を守るための「行動ルール」も必要です。
本記事では、時間予算→終了時刻→撤退基準の 3 段階で管理します。
時間予算は Part へ何分使うか。終了時刻はどこまでに終えるか。そして撤退基準は、どのタイミングで迷った問題から離れるかです。
文法問題は選択肢から問題タイプを先に判断する
Part 5 では選択肢を先に確認すると、読むべき範囲を絞れます。
たとえば、
(A)complete
(B) completed
(C) completion
(D)completely
なら、品詞や文構造を見る問題だと予測できます。
全文の意味を完璧に訳してから考える必要はありません。
一方、意味の異なる 4 つの形容詞が並んでいれば、文脈まで読む必要があります。
問題タイプ判定が速くなると、Part 5 の時間短縮につながります。
語彙問題は一定時間で判断できなければ一度選んで進む
語彙問題は「知らなければ分からない」要素が比較的大きくなります。
特にコロケーションを問う問題では、長く考えても答えが出ないことがあります。
本番では、自分なりの上限時間を設定します。
たとえば 20〜30 秒程度考え、文脈を読んでも判断材料が増えなければ、候補を選んで進む方法です。
重要なのは秒数そのものではなく、新しい根拠が増えているかです。
考え続けても情報が増えないなら、その時間は後ろへ使う価値があります。
Part 6 は文法問題と文脈問題で読む範囲を変える
Part 6 では、品詞や一部の文法問題は空欄を含む一文中心で判断します。
語彙なら空欄前後、接続表現なら前後数文、文挿入なら文書全体まで視野を広げます。
すべての問題を同じ読み方で処理しないことが重要です。
ここで読む範囲を正しく切り替えられると、正答率を維持しながら Part 6 の時間を削減できます。
Part 7 は設問を確認して探す情報を明確にする
Part 7 では、本文を読む前に設問を軽く確認します。
目的、人物、日時、理由、次の行動など、何を探すかを把握します。
IIBC の公式 Part 7 教材でも、文書の読解時間を測り、要点をつかみ、設問で何が問われているかを確認して解答する段階的な練習が採用されています。
ただし、選択肢をすべて記憶するまで先読みしてはいけません。
先読みに時間を使いすぎれば、本末転倒です。
固有名詞・数字・日付を手がかりに根拠を探す
Part 7 の詳細問題では、人名、日付、金額、商品名などを検索キーとして使います。
設問に“Mr. Lopez”があれば本文中の Lopez 周辺、July 20 なら日付付近を見ます。
ただし、見つけた単語の横に答えがあるとは限りません。
「7 月 20 日の予定が 22 日に変更された」のように複数の情報がある場合は、設問がどちらを聞いているのか確認します。
キーワードは答えではなく、正解根拠へ移動するための目印です。
NOT 問題・推測問題・照合問題に時間を使いすぎない
NOT 問題では複数の選択肢を本文と照合する必要があります。
推測問題では、明示情報をもとに判断する必要があります。
複数文書の照合問題では、2 つ以上の文書を行き来することがあります。
つまり、比較的時間がかかりやすい問題タイプです。
残り時間が十分あるなら丁寧に解きます。
一方、残り 5 分で複数問残っているなら、根拠が明確な詳細問題から優先するという判断も必要です。
30 秒考えて根拠が見つからない問題は切り上げる
本記事では、選択肢判断で迷い続けている場合の一つの目安として、約 30 秒考えても新しい根拠が見つからないなら一度切り上げることをおすすめします。
これは IIBC の公式ルールではなく、本記事独自の時間管理基準です。
Part 7 の長文全体を 30 秒で読むという意味ではありません。
本文を確認し、2 択まで絞った後に 30 秒近く同じ情報を考えている場合などを想定しています。
「30 秒経ったか」以上に、「判断材料が増えたか」を基準にしてください。
残り時間に応じて問題の優先順位を変更する
本番では、残り時間によって戦略を変えます。
残り 30 分なら、後半の複数文書を通常どおり処理できます。
残り 10 分なら、難しい 1 問に 2 分使うことは避けたいところです。
残り 3 分なら、すべてを精読することは現実的ではありません。
ここで重要なのが、事前に「残り時間別ルール」を作ることです。
たとえば、
残り 15 分以上=通常運転
残り 10 分=迷った問題を早めに切る
残り 5 分=根拠を取りやすい問題を優先
という形です。
本番で焦ってから戦略を考えるのではなく、模試で事前に試してください。
目標スコア別に考える TOEIC の時間配分
TOEIC の時間配分に全受験者共通の正解はありません。
現在 500 点の人と 850 点の人では、解ける問題数と判断速度が異なるからです。
以下はスコア帯ごとの学習戦略の目安であり、公式に定められた配分ではありません。
500〜600 点台は得意な問題を確実に取り切る
500〜600 点台では、全 100 問を完全に解き切ることだけにこだわる必要はありません。
まず、Part 5 の基礎的な文法問題や、Part 7 の根拠が明確な詳細問題を確実に取ることを優先します。
難しい語彙問題に時間をかけた結果、後ろの解きやすい問題へ到達できない状況は避けましょう。
この段階では、時間配分改善と同時に語彙・文法の土台を強化することが重要です。
正答できる問題の範囲が広がれば、自然と時間戦略も変えられます。
600〜700 点台は Part 5・Part 6 の処理速度を安定させる
600〜700 点台では、Part 5・6 で「分かるのに時間がかかる」問題を減らしたいところです。
品詞、動詞、前置詞・接続詞など、判断手順を固定できる問題は反応速度を高めます。
Part 6 でも、文法問題なのに全文を読む癖をなくします。
Part 5・6 が安定して短縮されれば、Part 7 へ使える時間が数分増えます。
この数分が、後半の複数文書へ到達できるかどうかを左右する場合があります。
700〜800 点台は Part 7 の複数文書問題まで到達する
700〜800 点台を目指すなら、Part 7 後半へ十分な時間を残すことが重要になります。
ダブル・トリプルパッセージでは、すべての文書を丸暗記するのではなく、文書ごとの役割を整理します。
「広告」「顧客メール」「注文確認」のように分け、人物・商品・日時などでつなぎます。
単独文書だけで解ける設問は素早く処理し、複数文書の照合が必要な問題へ時間を残します。
Part 7 後半を「時間があれば解く場所」から、「予定どおり到達する場所」へ変えることが目標です。
800 点以上は全問解答と根拠確認の両立を目指す
800 点以上を狙う段階では、全問への到達を目標にしながら、正答率も維持する必要があります。
ただ速く進むだけでは、ケアレスミスが増えます。
特に Part 7 では、本文と選択肢の言い換え、推測問題、複数文書の情報統合を丁寧に確認する必要があります。
そのためには Part 5 の基礎問題を短時間で処理し、Part 7 で根拠確認に使える時間を作ることが重要です。
速さと丁寧さを両立するため、模試では「全問解けたか」だけでなく「見直しなしでもどれだけ正確だったか」を確認してください。
全問を均等に解くより正答できる問題を優先する
目標スコアに関係なく共通するのは、1 問へ時間を使いすぎないことです。
難しい問題も簡単な問題も、スコア上は 1 問として扱われます。
そのため、本番では「難しいから価値が高い」と考える必要はありません。
自分が正答しやすい問題へ時間を確保することが重要です。
これは難問を永遠に捨てるという意味ではありません。
学習では難問も徹底的に復習し、本番では時間価値を考えて判断します。
現在の正答率に合わせて捨てる問題の基準を決める
「捨てる問題」とは、最初から読まずに放棄するという意味ではありません。
一定時間考えても正解確率を高められない問題から、一度離れるという意味です。
たとえば Part 5 の難しい語彙、Part 7 の複雑な NOT 問題など、自分が毎回時間を失っているタイプを把握します。
模試を 3 回程度行えば、「このタイプで毎回 1 分以上使う」という傾向が見えてきます。
そこへ撤退基準を設定しましょう。
スコアが上がったら時間配分を段階的に更新する
一度決めた時間配分を永遠に使う必要はありません。
Part 5 が 15 分から 12 分へ短縮できたら、3 分を Part 7 へ追加します。
Part 7 のシングルパッセージが速くなったら、その分を複数文書の照合問題へ使えます。
英語力が変われば、最適配分も変わります。
月に 1 回程度、75 分の模試を使って時間設計を見直しましょう。
TOEIC の時間配分を改善する演習法と復習法
時間配分は、知識として読んだだけでは身につきません。
スポーツと同じで、実際に時間制限の中で判断する練習が必要です。
IIBC 公式の Part 7 教材でも、読解時間の測定から始め、本番形式の Part 7 全 54 問で時間配分を確認する流れが採用されています。
Part ごとに時間を測って解答速度を把握する
最初は Part 別に時間を測ります。
「リーディング全体で時間切れ」という記録だけでは改善点が分かりません。
Part 5=16 分
Part 6=9 分
Part 7=50 分
なら、Part 5 に改善余地があります。
Part 5=10 分
Part 6=9 分
Part 7=56 分でも 10 問残るなら、Part 7 の読解速度・根拠検索を重点的に練習します。
正解した問題でも時間を使いすぎた場合は復習する
復習対象を不正解だけにすると、時間配分は改善しにくくなります。
たとえば Part 5 の 1 問を 80 秒かけて正解したとします。
知識面では正解ですが、本番戦略としては課題です。
問題を、
速く正解
遅く正解
速く不正解
遅く不正解
の 4 種類に分類すると分かりやすくなります。
特に「遅く正解」は、正答率を落とさず短縮できる可能性が高い改善ポイントです。
時間超過の原因を語彙・文法・構文・迷いに分類する
時間がかかった問題は、その原因を分類します。
語彙を知らなかったのか。
文法知識が曖昧だったのか。
長文構造を取り違えたのか。
2 択で迷い続けたのか。
たとえば「迷い」が多ければ、追加学習より撤退判断の練習が必要かもしれません。
「構文」が多ければ、速読以前に精読を増やします。
時間超過の原因が分かれば、「もっと速く解く」という曖昧な目標から具体的な学習へ変えられます。
Part 5 は問題タイプ別の反応速度を高める
Part 5 では、問題タイプごとにまとめて練習する方法が有効です。
品詞問題を 10 問、動詞問題を 10 問、前置詞・接続詞を 10 問など、同じ判断を連続で繰り返します。
最初は根拠を丁寧に説明します。
慣れてきたら 1 問あたりの時間を測ります。
目標は「考えない」ことではなく、判断手順を自動化することです。
品詞問題を見たら意味ではなく文構造を見る、という反応が定着すると大きく短縮できます。
Part 6 は 1 文書単位で制限時間を設定する
Part 6 は 1 問単位ではなく、4 問を含む 1 文書単位で時間を測ると実践的です。
最初は 3 分程度でも構いません。
正答率が安定したら 2 分 30 秒、2 分 15 秒と段階的に縮めます。
文挿入で時間がかかった場合は、前文・候補文・後文をどのように照合したか復習します。
すべての問題で全文を再読していないかも確認してください。
Part 7 は設問と根拠箇所を対応させる練習を行う
Part 7 の速度を上げるには、本文を速く読むだけでなく、根拠を速く探せるようにする必要があります。
問題演習後、各設問について「本文のどこが根拠か」を確認します。
さらに、本文と選択肢の言い換えも確認します。
たとえば本文が“the event was postponed”、正解選択肢が“the event will be held later”なら、同じ意味として認識できる必要があります。
IIBC 公式の Part 7 教材でも、要点把握・設問解答・読解速度向上を段階的に練習する構成が取られています。
75 分の通し演習で目標時刻どおりに進めるか確認する
Part 別練習ができたら、必ず 75 分の通し演習を行います。
リーディング本番は Part ごとに試験時間が区切られているわけではなく、全体で 75 分だからです。
通し演習では、
12 分で Part 5 終了できたか
22 分で Part 6 終了できたか
Part 7 のシングル終了時に何分残ったか
最後に未回答が何問あったか
を記録します。
予定との差を毎回確認すると、時間感覚が徐々に固定されます。
正答率を維持しながら制限時間を段階的に短縮する
時間短縮は、一気に行わないことが重要です。
Part 5 が現在 16 分で正答率 85%なら、まず 15 分で同程度の正答率を維持することを目指します。
次に 14 分、13 分と短縮します。
急に 10 分へすると、問題を読まずに勘で答える割合が増える可能性があります。
時間配分トレーニングの原則は、
正確さ→安定→短縮
です。
速さは最後に乗せると考えてください。
本番後は解けなかった問題数と時間を失った Part を記録する
試験や模試が終わった後、「難しかった」という感想だけで終わらせないようにしましょう。
Part 7 で何問残ったか。
Part 5 は予定より何分遅れたか。
どの問題タイプで止まったか。
これらを記録します。
たとえば「Part 7 が 8 問残った」のと「Part 7 には到達したが NOT 問題で 5 分使った」では、次回の対策が異なります。
時間切れを失敗ではなく、次の時間設計を作るデータとして扱うことが大切です。
よくある質問
TOEIC リーディングの理想的な時間配分は何分ですか?
公式に Part 別の時間配分は定められていません。現行の TOEIC L&R では、リーディングセクション全体が 75 分・100 問です。
学習上の一例として、Part 5 を 10〜12 分、Part 6 を 8〜10 分、残り 53〜57 分程度を Part 7 へ使う方法があります。
ただし、現在の正答率によって調整してください。
Part 5 を 10 分で解けないと高得点は取れませんか?
10 分は絶対条件ではありません。
Part 5 を 13 分かけても高い正答率を維持し、Part 7 を最後まで解けるなら問題ありません。
反対に 10 分で終えても大量に間違えているなら、良い時間配分とはいえません。
まず正答率を安定させ、その後で少しずつ時間を縮めましょう。
TOEIC Part 7 は何分残せばよいですか?
一例として 50 分以上確保できると、Part 7 の 54 問へ取り組みやすくなります。
ただし、読む速度や目標スコアによって必要時間は異なります。
まず模試を使い、Part 7 に何分あれば現在の実力でどこまで解けるかを測定してください。
TOEIC で問題を飛ばしてもよいですか?
時間をかけても新しい根拠が見つからない問題は、一度答えを選んで進むことも重要です。
特にリーディングでは、1 問へ時間を使いすぎたことで後ろの複数問へ挑戦できなくなることがあります。
日頃の演習から、自分なりの撤退基準を作っておきましょう。
TOEIC でいつも 10〜20 問残る場合はどうすればよいですか?
まず Part 7 だけでなく、Part 5・6 の所要時間を測ってください。
Part 5・6 で 30 分前後使っているなら、Part 7 開始時点で時間不足になっている可能性があります。
前半を適切に短縮したうえで、Part 7 では返り読み、本文と設問の往復、未知語で停止する癖を改善します。
まとめ
TOEIC の時間配分で重要なのは、75 分を 100 問へ均等に分けることではありません。
現行のリーディングは Part 5 が 30 問、Part 6 が 16 問、Part 7 が 54 問で構成されているため、Part 5・6 を効率よく処理し、問題数の多い Part 7 へ十分な時間を残す必要があります。
学習上の一例として、Part 5 を 10〜12 分、Part 6 を 8〜10 分、残りを Part 7 へ使う設計があります。ただし、これは公式の指定時間ではなく、自分の正答率に応じて調整する目安です。
時間配分を安定させるには、「時間予算→終了時刻→撤退基準」の 3 つを決めましょう。
何分使うかだけではなく、何分時点で Part を終えるか、そして何秒迷ったら一度次へ進むかまで決めておくことで、本番の判断が安定します。
最終目標は、単に全問を見ることではありません。
限られた 75 分の中で、自分が正解できる問題へ適切に時間を配分し、総正答数を最大化することが TOEIC 時間配分の本質です。

