記事要約
TOEIC でスコアを伸ばすには、単語と文法を「知っている」だけでなく、見たり聞いたりした瞬間に意味や文構造を判断できる状態まで定着させることが重要です。単語力は Part 5 の語彙問題だけでなく、リスニングや Part 7 の長文理解にも影響し、文法力は英文を意味のまとまりで素早く処理する土台になります。本記事では、TOEIC 頻出単語の覚え方、優先したい文法項目、Part 別の活用方法、3 ヶ月の学習計画まで詳しく解説します。
TOEIC の単語・文法はスコアアップの土台になる
TOEIC 対策というと、Part 別の解き方や時間配分といったテクニックに目が向きがちです。しかし、問題を解くための土台となるのは単語と文法です。
現行の TOEIC L&R はリスニング約 45 分・100 問とリーディング 75 分・100 問の計 200 問で構成されています。リーディングでは Part 5 が 30 問、Part 6 が 16 問、Part 7 が 54 問です。
単語・文法の知識は Part 5 だけで使うものではありません。リスニングで音声を理解するときも、Part 7 でメールや広告を読むときも、「単語の意味がすぐ分かる」「英文の構造を瞬時に把握できる」という基礎力が処理速度を左右します。
TOEIC では単語力と文法力の両方が必要になる
単語力と文法力は、どちらか一方だけあればよいものではありません。
たとえば、
“Applicants must submit the completed form by Friday.”
という英文を読むとします。
applicant、submit、form といった単語を知らなければ内容を理解できません。
一方、単語の意味をすべて知っていても、completed が form を修飾していることや、must の後ろに動詞の原形が来ることが分からなければ、英文を正確に処理できません。
単語は英文を構成する「材料」、文法はその材料をどのように組み立てるかを示す「設計図」と考えると分かりやすいでしょう。
英語コーチングの現場でも、単語帳だけを何周しても長文が読めない人や、文法問題集では正解できるのにリスニングになると意味が取れない人は珍しくありません。
重要なのは、単語と文法を別々の暗記科目にせず、実際の英文の中で結びつけることです。
単語・文法は Part 5 だけでなく全 Part の理解に影響する
TOEIC の単語・文法対策を Part 5 専用だと考えるのはもったいありません。
リスニングの Part 1 では動詞や前置詞が分からなければ写真描写を判断しにくくなります。Part 2 では疑問詞や時制を瞬時に捉える必要があります。Part 3・4 では、会議、予約、配送、出張などの場面語彙を知っているほど話の展開を予測しやすくなります。
リーディングではさらに影響が大きくなります。
Part 6 では文法的に正しいかだけでなく、前後の文脈に適した語を選びます。
Part 7 では、長い英文を読みながら単語・構文をリアルタイムで処理しなければなりません。
IIBC の公式学習情報でも、語彙力を高めることに加え、基本文法を身につけることで英文中の意味のまとまりや語句の区切りを判断しやすくなるという考え方が示されています。
つまり、単語・文法の基礎を固めることは、特定 Part の点数を上げるだけでなく、TOEIC 全体の処理速度を底上げする対策です。
単語を知らなければ聞き取り・長文読解でも止まりやすい
英単語を「読めば分かる」状態と、「聞いてもすぐ分かる」状態は同じではありません。
たとえば reservation という単語を見れば「予約」と分かるのに、音声で聞くと数秒考えなければ意味が出てこない場合があります。
リスニングでは、その数秒の間にも次の英文が流れます。1 語で処理が止まることで、その後の重要情報まで聞き逃しかねません。
リーディングでも同様です。Part 7 で一つひとつの単語について「これは何だったかな」と考えていれば、75 分以内に多くの英文を処理するのは難しくなります。
IIBC の最新公式教材では、頻出語を意味だけでなく、例文・派生語・音声と一緒に学習できる構成が採用されています。また公式の学習情報でも、単語はスペル・意味に加えて発音や例文とセットで学ぶことが推奨されています。
単語学習では、「覚えたか」だけではなく、見ても聞いてもすぐ意味が出るかまで確認しましょう。
文法が曖昧だと英文の構造を素早く判断できない
文法力が弱い人は、一文が長くなるほど主語や動詞を見失いやすくなります。
たとえば、
“The employees who completed the training program last month will receive certificates next week.”
という英文を考えてみます。
骨格は、
“The employees will receive certificates.”
です。
who completed the training program last month は employees を説明しています。
関係代名詞の構造を理解していれば、一度読んだだけで「研修を修了した従業員が証明書を受け取る」と処理できます。
一方、文法が曖昧だと completed と will receive のどちらが主要動詞なのか迷い、文頭へ戻って読み直します。
文法力は Part 5 で空欄を埋めるためだけの知識ではありません。返り読みを減らし、英文を前から理解するための処理ルールでもあります。
TOEIC 対策では難しい知識より頻出項目を優先する
TOEIC 対策では、英語に存在するすべての単語・文法を覚える必要はありません。
限られた学習時間を考えるなら、TOEIC で接触する可能性の高い語彙や基本文法から優先する方が効率的です。
2026 年 1 月発売の『公式 TOEIC Listening & Reading 英単語』も、過去のテストに基づいて厳選した 1,800 語を収録し、頻出順で学べる設計になっています。
文法についても、最初から細かな例外事項へ進む必要はありません。
品詞、主語と動詞の一致、時制、態、前置詞・接続詞、関係詞など、Part 5 だけでなく英文読解にも直結する項目から固めましょう。
特に初心者は、「難しい問題を解けるようになること」より「基本問題を迷わず処理できること」の方がスコアアップにつながりやすいと考えます。
まず語彙・文法・処理速度のどこが弱いか確認する
勉強を始める前に、自分の弱点を 3 つに分けてみましょう。
本記事では、「知識・判断・運用」の 3 段階診断をおすすめします。
「知識」は、その単語や文法をそもそも知らない状態です。
「判断」は、知っているものの、答えを出すまでに時間がかかる状態です。
「運用」は、単体では分かるのに、リスニングや長文の中では使えない状態です。
たとえば Part 5 の品詞問題を正解したとしても、1 分かかったなら「判断速度」に課題があります。
単語帳では意味を答えられるのに Part 3 で聞き取れないなら、「運用」に課題があります。
単なる正答率だけでなく、どの段階で止まっているのかを見ることで、必要な勉強法が明確になります。
TOEIC 単語を効率よく覚える勉強法
TOEIC 単語の勉強で重要なのは、「一度覚える」ことより「問題の中で瞬時に認識できる状態を作る」ことです。
単語帳を一周しただけでは、まだ学習の入口です。
TOEIC 頻出のビジネス・日常語彙から優先して覚える
単語学習では、何を覚えるかの優先順位が重要です。
TOEIC Tests では、日常生活やビジネスの場面で使われる英語が扱われます。IIBC も、頻出単語から優先して覚えることで実用的な語彙力を効率よく身につけられると案内しています。
たとえば、
meeting
schedule
shipment
appointment
applicant
invoice
reservation
conference
といった語は、会議、採用、配送、予約などの場面を理解する際に役立ちます。
難易度の高い英単語を無差別に覚えるより、まず頻繁に登場する場面と結びついた語彙から固めましょう。
単語は英語を見てすぐ意味が出る状態を目指す
単語帳を使うとき、「考えれば分かる」は完成ではありません。
TOEIC 本番では時間制限があります。
英文中の単語を読むたびに 3 秒考えていると、Part 7 では膨大な時間を消費します。
理想は、英単語を見た瞬間に意味のイメージが出る状態です。
たとえば postpone を見た瞬間に「延期する」、available なら「利用できる・空いている」と反応できるようにします。
IIBC の公式ボキャブラリー教材でも、単語を見てすぐ意味が浮かぶようになるまで繰り返す学習法が案内されています。
1 語を長時間眺めるより、短時間で何度も接触する方が学習を回しやすくなります。
名詞・動詞・形容詞・副詞の派生語をセットで覚える
TOEIC では、同じ語源から派生した異なる品詞を見分ける力が重要です。
たとえば、
apply:動詞
application:名詞
applicant:名詞
applicable:形容詞
のようにまとめて覚えます。
また、
success
succeed
successful
successfully
のような派生語を整理しておけば、Part 5 の品詞問題へ直接応用できます。
さらに Part 7 でも、本文に apply、設問に application という形で語形を変えた表現へ対応しやすくなります。
最新の公式英単語教材でも、見出し語とともに派生語などの関連情報を学べる構成になっています。
単語帳に一語ずつ孤立させるのではなく、「単語ファミリー」として覚えるのがおすすめです。
単語単体ではなくコロケーションや例文で覚える
コロケーションとは、自然によく一緒に使われる語の組み合わせです。
たとえば、
make a reservation
submit an application
meet a deadline
conduct a survey
attend a conference
などです。
reservation=予約だけ覚えていても、「予約をする」という英文でどの動詞を使うのか分からないことがあります。
TOEIC では、こうした自然な語の組み合わせを知っていることが Part 5 の語彙問題や Part 6 の文脈判断に役立ちます。
最新の公式英単語教材でも、複合名詞・句動詞・セットフレーズを含む語彙を収録し、実際のテストで使われた例文を通じて学ぶ構成が採用されています。
単語を覚えるときは、最低でも一つ自然な組み合わせをセットで覚えましょう。
会議・採用・注文・配送・出張など場面別に整理する
単語をアルファベット順だけで覚えるより、場面別に整理すると記憶と実戦がつながりやすくなります。
たとえば採用なら、
applicant
candidate
position
resume
interview
qualification
をまとめます。
配送なら、
shipment
delivery
warehouse
delay
order
tracking
といった形です。
Part 3 や Part 4 で shipment という語が聞こえたとき、delivery や order などの関連語も頭に入っていれば、話題を予測しやすくなります。
英単語を「日本語訳の一覧」ではなく、場面を構成する部品として覚えることがポイントです。
リスニング対策では意味だけでなく発音も確認する
TOEIC L&R では、語彙は読むだけでなく聞いて理解する必要があります。
英単語を文字だけで覚えていると、音声になった瞬間に別の単語のように感じることがあります。
そのため新しい単語を覚えたら、必ず音声も確認しましょう。
IIBC 公式も、単語のスペル・意味だけでなく発音や例文をセットで学ぶことを勧めており、最新の公式単語教材には見出し語・語義・例文の音声が用意されています。
おすすめは、
文字を見る
↓
意味を答える
↓
音声を聞く
↓
自分でも発音する
↓
例文を聞く
という流れです。
「目で知っている単語」を「耳でも分かる単語」へ変えていきましょう。
新しい単語を増やすより復習回数を確保する
単語学習でありがちな失敗は、毎日新しい単語だけ増やすことです。
1 日に 100 語進んでも、翌週ほとんど思い出せなければ実戦では使えません。
重要なのは、新出語数より再接触回数です。
公式の最新単語教材も 1 日 20 語ずつ 90 日で進める学習設計になっており、苦手語を繰り返し練習できる仕組みが用意されています。
本記事では、
当日
翌日
3 日後
1 週間後
を一つの復習目安としておすすめします。
「覚えた単語」ではなく「次回も瞬時に答えられる単語」を増やしましょう。
TOEIC 文法で優先して押さえるべき基礎項目
TOEIC 文法で大切なのは、文法用語をたくさん説明できることではありません。
英文を見たときに、「ここには何が必要か」「この文の骨格は何か」を短時間で判断できることです。
文法に苦手意識が強い場合は、無理に難しい問題集から始める必要はありません。
IIBC の公式学習情報でも、英文法に自信がない場合は中学 3 年間程度の基礎文法を復習し、基本的な文構造を思い出すことが勧められています。
品詞を見分けて名詞・形容詞・副詞の位置を理解する
Part 5 で優先度が高いのが品詞です。
たとえば、
“The company announced a _ expansion.”
なら、expansion という名詞を修飾する形容詞が必要です。
一方、
“The company expanded _.”
なら、動詞 expanded を修飾する副詞が候補になります。
品詞問題で重要なのは単語の日本語訳ではありません。
空欄の位置を見て、
「名詞が必要」
「形容詞が必要」
「副詞が必要」
と判断します。
名詞・動詞・形容詞・副詞の役割が分かるようになると、Part 5 だけでなく長文の構造も見えやすくなります。
主語と動詞の一致を正しく判断する
英語では、主語が単数か複数かによって動詞の形が変わる場合があります。
難しいのは、主語と動詞の間に長い修飾語が入ったときです。
“The list of new employees _ on the desk.”
では、直前の employees ではなく、主語の中心は list です。
こうした問題では、主語の核となる名詞を見つける力が必要です。
文法問題を解くときだけでなく、Part 7 の長文でも「誰が・何が、どうした」を素早く特定するために役立ちます。
時制を時間表現と文章の流れから見分ける
時制問題では、動詞だけを見て答えないようにしましょう。
yesterday、last year、since、by next month などの時間表現が大きなヒントになります。
Part 6 では一文内だけでなく、前後の文章から時間軸を判断するケースもあります。
たとえば、
「先月サービスを開始した」
「現在多くの顧客が利用している」
「来月機能を追加する」
という文章なら、過去・現在・未来が連続します。
時制を単独ルールとして暗記するのではなく、「出来事が時間軸のどこにあるか」を整理して理解しましょう。
能動態・受動態・分詞の違いを整理する
受動態で迷う人は、「主語が動作をする側か、される側か」を確認してください。
“The manager approved the proposal.”
なら manager が承認する側です。
“The proposal was approved by the manager.”
なら proposal は承認される側です。
分詞でも同じ視点が役立ちます。
exciting と excited、increasing と increased など、形だけで暗記すると混乱しやすいため、「対象が動作・感情を与える側か、受ける側か」を考えます。
前置詞と接続詞を後ろに続く文構造から区別する
Part 5 で頻繁に迷うのが、前置詞と接続詞です。
because of の後ろには基本的に名詞相当の語句が続き、because の後ろには主語+動詞を含む節が続きます。
despite と although、during と while なども同様です。
日本語訳だけを覚えると、
「どちらも『〜にもかかわらず』だから分からない」
という状態になります。
意味だけでなく、後ろに何が来るかまでセットで覚えましょう。
関係代名詞・関係副詞と先行詞の関係を理解する
関係詞は Part 5 の文法問題だけでなく、Part 7 の返り読みを減らすうえでも重要です。
“The restaurant that opened last month has already become popular.”
なら、that opened last month が restaurant を説明しています。
この関係をその場で処理できれば、
「何が popular なのか?」
と文頭へ戻る必要がありません。
who、which、that、whose、where、when などを覚えるときは、空欄問題だけではなく、一文の中で「どの名詞を説明しているか」を確認しましょう。
不定詞・動名詞・比較・代名詞の基本パターンを押さえる
その他、不定詞・動名詞・比較・代名詞も基礎として押さえておきたい項目です。
不定詞や動名詞では、どの動詞の後ろにどちらが続くかを例文で覚えます。
比較では than や as ~ as の形だけでなく、何と何を比較しているのかを確認します。
代名詞では、it、they、them、this、these などが何を指しているかを追います。
特に Part 6・7 では、代名詞を正しく追えるかどうかが文章全体の理解に影響します。
Part 別に見る TOEIC 単語・文法の活用法

単語・文法を学んだら、必ず TOEIC の問題へ戻しましょう。
知識が実際の問題でどのように使われるかを確認することで、「覚えた知識」が「得点できる知識」に変わります。
Part 1・2 は基本動詞・疑問詞・前置詞を素早く認識する
Part 1 では、人物や物の状態・動作を表す基本語彙が重要です。
standing、holding、placing、facing といった動詞や、on、under、beside などの前置詞を音で素早く認識できる必要があります。
Part 2 では、Who、When、Where、Why、How などの疑問詞を聞いた瞬間に、どの種類の情報を求められているか判断します。
文法を「問題集の知識」に留めず、耳から入った瞬間に文の形を認識できるところまで練習しましょう。
Part 3・4 は場面別語彙と定型表現から話の流れを予測する
Part 3・4 では、会話や説明文を一度だけ聞いて設問に答えます。現行形式では Part 3 が 39 問、Part 4 が 30 問です。
長めの音声では、語彙を知っているほど話題を予測しやすくなります。
reservation、available、guest、room なら宿泊や予約。
shipment、warehouse、delivery なら配送。
candidate、interview、position なら採用。
というように、場面別語彙をまとまりで覚えておけば、数語聞いただけでも文脈を作りやすくなります。
Part 5 は選択肢から品詞・文法・語彙問題を見分ける
Part 5 では、選択肢を見ることで問題タイプを判断します。
success、successful、successfully、succeed なら品詞問題。
is、was、has been、will be のような形なら時制や態を確認します。
意味の異なる 4 単語なら、語彙・文脈を読む必要があります。
「どの問題も全文を日本語訳してから解く」のではなく、選択肢から必要な知識を特定することが処理時間短縮につながります。
Part 6 は一文の文法と文章全体の文脈を使い分ける
Part 6 では、文法知識だけで解ける問題と文脈を見る問題があります。
品詞なら一文中心で判断できます。
一方、接続表現や文挿入では前後のつながりを見る必要があります。
たとえば however が入るか判断するなら、「前後が対比関係になっているか」を確認します。
this や these があれば、何を指しているのかを前文へ戻って確認します。
単語と文法を実際の文章の流れに組み込む力が問われる Part です。
Part 7 は単語を一語ずつ訳さず文構造から意味を取る
Part 7 は現行形式で 54 問あり、リーディングの中で最も問題数が多い Part です。
時間内に解くには、単語を一語ずつ日本語に変換する読み方から卒業する必要があります。
たとえば、
“Employees interested in attending the seminar should register by Friday.”
なら、
Employees interested in attending the seminar
/should register
/by Friday
と意味のまとまりで前から理解します。
IIBC 公式の学習情報でも、Part 7 では英語を日本語へ訳しながら読むのではなく、英語のまま理解することがポイントとして挙げられています。
文法知識は、ここで「速読を支える道具」になります。
知らない単語があっても設問に必要な情報を優先して読む
単語力を高めても、本番ですべての単語を知っているとは限りません。
Part 7 で未知語が出たら、まず設問に必要な語かどうかを判断します。
商品名や会社独自の名称なら、意味を知らなくても固有名詞として扱える場合があります。
一方、問題の理由や変更内容を示す重要動詞なら、前後の文脈から意味を推測します。
「未知語が 1 つある=英文全体が読めない」ではありません。
本番では流れを止めすぎず、演習後の復習で語彙の穴を埋めるようにしましょう。
問題演習で覚えた単語・文法を実際の英文と結びつける
問題集で間違えた単語・文法は、単独でノートに書くだけで終わらせないようにします。
たとえば Part 5 で eligible を知らなかったなら、
be eligible for ~
be eligible to do ~
の形まで確認します。
接続詞 although を間違えたなら、その問題文だけでなく、
Although S + V, S + V
という構造を別の例文でも確認します。
知識を「正解番号」と結びつけるのではなく、「英文の使われ方」と結びつけることが重要です。
TOEIC の単語・文法を勉強しても伸びない原因と改善策
単語帳も文法書も勉強しているのにスコアが伸びない場合、学習量ではなく定着の仕方に問題がある可能性があります。
単語帳を一周しただけで覚えたつもりになっている
単語帳を最後まで進めることと、単語を使える状態にすることは別です。
1 ページ目から最後のページまで読んでも、数週間後に意味が出なければ本番では使えません。
一周目は「覚える」より「知る」段階と考えましょう。
二周目以降は知っている語を高速で飛ばし、曖昧な語へ時間を集中します。
単語帳の周回数そのものではなく、分からない単語が何語残っているかを指標にしてください。
日本語訳だけ覚えて品詞・語法・発音を確認していない
日本語訳だけの暗記では、TOEIC で使える情報が足りません。
たとえば apply=「申し込む」だけでなく、
apply for a position
application form
applicant
まで覚えれば、Part 5・6・7 で応用できます。
さらにリスニングで使うためには発音も必要です。
IIBC 公式の単語学習情報も、意味だけでなく発音・例文をセットで学ぶ方法を推奨しています。
「意味・品詞・使い方・音」の 4 点セットを意識しましょう。
文法ルールを暗記するだけで問題演習に使えていない
「名詞の前には形容詞が来る」と説明できても、Part 5 で 30 秒考えているなら知識が自動化されていません。
文法を学んだら、すぐに該当分野の問題を解きます。
品詞を勉強したら品詞問題。
受動態を勉強したら動詞問題。
接続詞を学んだら Part 5・6 の関連問題。
という形です。
理解→問題→根拠説明→再挑戦までを一つの文法学習と考えましょう。
正解だけ確認して誤答した原因を分析していない
答え合わせで、
「正解は B だった」
だけ確認して次へ行くと、同じ理由で再び間違えます。
重要なのは「なぜ間違えたか」です。
単語を知らなかったのか。
形容詞と副詞を区別できなかったのか。
主語を見間違えたのか。
2 択まで絞れたが語法を知らなかったのか。
原因によって復習方法は異なります。
難しい単語・文法に時間を使いすぎて基礎が抜けている
高得点を目指すほど難しい語彙や文法へ進みたくなります。
しかし、基本的な品詞問題や時制問題を頻繁に落としている段階なら、難問より基礎を優先した方が効率的です。
IIBC 公式の目標スコア別学習情報でも、基礎レベルでは語彙の強化と基本英文法の復習を優先する考え方が示されています。
「難しいことを勉強している=スコアが上がる」ではありません。
現在失点している原因に最も近い内容から勉強してください。
単語と文法を別々に学び英文の中で確認していない
単語帳 30 分、文法書 30 分だけで毎日の勉強が終わっている場合、知識を文章へ統合する練習が不足します。
少なくとも一日の最後に TOEIC 形式の英文を読みましょう。
そこで、
「今日覚えた単語が出てきた」
「この形容詞は名詞を修飾している」
「この because は後ろに節がある」
と確認します。
単語・文法→英文→問題という流れを作ることで、知識が実戦へつながります。
「知らない」「判断が遅い」「使えない」を区別して復習する
ここが本記事で最も重視したいポイントです。
同じ間違いでも、
知らない=知識不足
判断が遅い=自動化不足
使えない=文中・音声での運用不足
に分けます。
たとえば accurate の意味を知らなければ単語帳へ戻ります。
意味は分かるが思い出すまで 5 秒かかるなら反復回数を増やします。
文字なら分かるが音では分からないなら音声学習を追加します。
この 3 分類を行うと、「とりあえず単語帳をもう一周する」といった曖昧な復習から抜け出せます。
TOEIC 単語・文法を定着させる学習計画と復習法
最後は、単語・文法を継続的に定着させる学習設計を作ります。
社会人の場合、毎日長時間を確保するのが難しいこともあります。重要なのは、一回の学習時間より「何を、いつ、どう復習するか」を決めることです。
最初に模試や問題集で現在の語彙・文法力を確認する
最初に TOEIC 形式の問題を解きます。
本番形式の問題へ取り組むことで、自分がどこに時間を使い、どの Part で間違えているのか確認できます。IIBC も、本番形式の問題を時間を計りながら解き、時間がかかる Part を把握する学習を案内しています。
Part 5 を 30 問解いたら、
語彙ミス
品詞ミス
動詞ミス
前置詞・接続詞ミス
その他
に分類します。
Part 7 でも未知語と構文ミスを記録します。
学習計画はこの診断結果から作ります。
1 日の学習を単語・文法・問題演習の 3 つに分ける
たとえば 1 日 60 分確保できるなら、
単語 20 分
文法 20 分
問題演習・復習 20 分
という設計から始められます。
ただし毎日完全に均等である必要はありません。
語彙不足が大きい人なら単語 30 分、文法 15 分、演習 15 分でも構いません。
重要なのは、「インプットだけの日」を続けないことです。
少しでも問題演習を入れ、覚えた知識が使えるか確認しましょう。
単語は少量を毎日繰り返して接触回数を増やす
単語は大量に一度覚えるより、少量を何度も見ます。
たとえば 1 日 20〜30 語を新しく学びながら、前日分・3 日前・1 週間前の単語も確認します。
最新の公式単語教材も、1 日 20 語ずつ 90 日で進める継続型の設計です。
1 語について、
意味
発音
品詞
例文・コロケーション
まで確認します。
苦手語だけ復習回数を増やすと、時間を効率的に使えます。
文法は 1 テーマずつ理解して Part 5 問題で定着させる
文法書を最初から最後まで読んでから問題演習を始める必要はありません。
品詞を学ぶ
↓
Part 5 の品詞問題を解く
↓
間違いを確認する
↓
翌日にもう一度解く
という小さなサイクルを作ります。
次に動詞、前置詞・接続詞、関係詞へ進みます。
1 テーマごとに知識と問題を結びつけることで、「分かったつもり」を防げます。
間違えた問題を語彙・品詞・動詞・前置詞・構文に分類する
復習ノートは、問題番号順ではなく原因別に整理すると便利です。
たとえば 20 問間違えたとします。
語彙 8 問
品詞 5 問
動詞 2 問
前置詞・接続詞 3 問
構文 2 問
なら、次の一週間は語彙と品詞を優先すべきだと分かります。
「TOEIC が苦手」という大きな悩みを、具体的な改善項目へ変えることができます。
翌日・3 日後・1 週間後に同じ単語と文法を復習する
新しく覚えた知識は、一定期間を空けて再確認します。
本記事では、翌日・3 日後・1 週間後を一つの復習サイクルとしておすすめします。
文法問題も同じです。
翌日は答えを覚えていることがありますが、「なぜその答えなのか」を説明します。
1 週間後に選択肢を見ても根拠を説明できれば、定着が進んでいると判断できます。
1 ヶ月目は基礎固め・2 ヶ月目は Part 別演習・3 ヶ月目は実戦演習を行う
3 ヶ月を確保できる場合は、段階を分けます。
1 ヶ月目は基礎固めです。頻出単語と基本文法を中心に学習します。
2 ヶ月目は Part 別演習へ移ります。Part 1〜7 の中で、覚えた単語・文法がどのように使われているか確認します。
3 ヶ月目は実戦演習です。本番形式の問題を時間制限付きで解きます。
IIBC も、語彙・文法などの基礎力を整えながら Part 別練習を重ね、定期的に本番形式の問題へ取り組む学習ステップを紹介しています。
正答率だけでなく回答までにかかった時間も記録する
TOEIC では「正解したか」だけでなく「何秒で正解したか」も重要です。
Part 5 で正解していても 1 問に 60 秒かかるなら、本番では時間切れの原因になります。
問題を、
速く正解
遅く正解
速く不正解
遅く不正解
に分けてみてください。
特に「遅く正解」は、知識はあるものの自動化できていない問題です。
同じ形式を繰り返して反応速度を上げましょう。
最終的には単語・文法を「考えず処理できる状態」まで自動化する
単語・文法学習の最終目標は、知識問題に詳しくなることではありません。
英文を見たり聞いたりしたときに、基礎知識へ意識を使わなくても意味を処理できる状態を作ることです。
本記事ではこれを、
知っている→即答できる→文中で使える
の 3 段階で考えます。
単語帳で意味を答えられれば第 1 段階。
瞬時に意味が出れば第 2 段階。
リスニングや長文でも自然に理解できれば第 3 段階です。
文法も同様です。
「これは関係代名詞だから……」と毎回分析しなくても、一読で文の構造を理解できるようになれば、処理が自動化してきています。
TOEIC の単語・文法対策では、この第 3 段階まで到達する知識を少しずつ増やすことが、スコアアップへの近道です。
よくある質問
TOEIC の単語と文法はどちらを先に勉強すべきですか?
どちらか一方ではなく、並行して進めるのがおすすめです。
ただし英文を読んでも知らない単語ばかりなら語彙を多めにし、単語は分かるのに主語・動詞を見失う場合は文法へ比重を置きます。
初心者の場合は、頻出単語と中学レベルを中心とした基本英文法を並行して固めると、Part 別学習へ移りやすくなります。IIBC 公式の学習情報でも、基礎的な語彙・文法を優先する考え方が示されています。
TOEIC では単語を何語覚えればよいですか?
「○語覚えれば○点」と単純には決められません。現在の語彙力や目標スコアによって必要量が異なるためです。
まずは TOEIC 頻出語から優先しましょう。
参考として、2026 年 1 月発売の『公式 TOEIC Listening & Reading 英単語』には、過去のテストを基に厳選された 1,800 語が収録されています。
数を追うだけでなく、頻出語を見聞きした瞬間に理解できる状態にすることが重要です。
TOEIC 文法は高校文法まで全部覚える必要がありますか?
初心者が最初から細かな高校文法の例外まで完璧にする必要はありません。
基本文法に不安がある場合は、中学英文法から復習し、品詞・時制・態・前置詞・接続詞・関係詞など TOEIC の英文処理に使いやすい分野へ進みましょう。IIBC 公式でも、文法に自信がない学習者には中学 3 年間程度の英文法を復習する方法が紹介されています。
単語帳は何周すれば覚えられますか?
必要な周回数は人によって異なります。
「3 周すれば完成」のように回数を固定するより、英単語を見てすぐ意味が出るかで判断してください。
覚えた単語は高速で確認し、苦手語だけ接触回数を増やす方法が効率的です。
Part 5 の点数が上がれば Part 7 も伸びますか?
必ず同じ割合で伸びるわけではありませんが、文法・語彙の基礎が固まることで Part 7 を読む処理は楽になりやすくなります。
Part 7 では 54 問の文書読解問題を 75 分のリーディング時間内で処理する必要があります。
単語の意味や文構造を瞬時に判断できれば返り読みが減り、設問根拠を探すことへより多くの処理能力を使えるようになります。
まとめ
TOEIC の単語・文法対策で重要なのは、知識量だけを増やすことではありません。
単語は意味だけでなく、品詞・派生語・コロケーション・発音・例文まで関連づけて覚えましょう。文法はルールを説明するだけでなく、Part 5 や長文の中で瞬時に構造を判断できるところまで練習します。
学習するときは、自分の弱点を「知らない」「判断が遅い」「使えない」の 3 つに分類してください。
そして最終的には、「知っている→即答できる→文中で使える」へ知識を段階的に引き上げます。
単語と文法を「暗記科目」ではなく、リスニングやリーディングを高速で処理する基礎システムとして鍛えることが、TOEIC スコアアップにつながります。

